論文を読んだ感想やまとめ

こんにちは この記事は自分が神経科学に関する論文を読んだ(読んでいる)際に抱いた疑問や、論文自体の内容をまとめたものです。今後、気分でこのような記事を気分で書いていこうかと思います(書くとは言ってない)
さて、1つ前起きですが 僕は現在学部2年で生物学科に在籍している人間で、今回論文を読むのは初めての体験であり 解釈などに間違いがあるかもしれません ですので、もしこのブログを読んでくださる方がおられれば そのときは情報をあまり鵜呑みにしすぎないように お願いします(余計な忠告かもしれませんが……)

本題に入ります
今回読んだ論文は睡眠科学に関する論文です(リンクは最後に乗せておきます)
ちなみにまだしっかりとは読み終わっていないため、今回はある程度の要約のみで済ませます。

さて、ざっくりと内容を要約すると

哺乳類において脳の視交叉上核(SCN)と呼ばれる領域はおよそ1日周期の自発発火をしており、サーカディアンリズムの中枢と言われている
(当時は)SCNに焦点があてられ、例えばそのおよそ下半分(腹側)は血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)含有ニューロンであり この細胞群は主に網膜からの光入力を受け取る また およそ上半分(背側)はバソプレシン(AVP)含有ニューロンであり 双方の細胞群は互いに接続してリズムの安定性などを生み出している……などの分子機構がわかっていた
けれどもSCNが投射するニューロンがどのようなものか、といったことはあまりわかっていなかったので 調べてみた というのが実験動機です。

SCNの主要な投射先は 下側室傍核(SPZ)であり SPZは更に背側の(Dorsalの)dSPZ及び腹側のvSPZに分けられます。またわずかではありますがdSPZの更に上の室傍核(PVH)にも投射が認められていました。そこで、それぞれの部位を特異的に破壊した際にサーカディアンリズムにどのような影響が見られるかを3つのリズム(睡眠、体温、脳波)において計測 比較することで SPZ及びPVHの機能を特定しようというのが実験の流れです。

おおまかな実験手法は
イボテン酸(神経毒)を投与し各神経領域を破壊する手術を行い、活動計測
各領域の神経破壊の決定にはニッスル染色による判断とc-Fos VIP AVPの免疫染色による判断を用いる ただし、両半球において破壊の程度が大きく異なる個体などは使わない です
(破壊領域には微妙に誤差がありvSPZの破壊は1部dSPZにも及んでいる)

実験結果については(解釈違いがあるかもしれませんが)箇条書きで書いていきます
・vSPZの破壊により睡眠 体温 脳波のサーカディアンリズムが大きく(有意に)消失した
・ただし 飼育部屋をコンスタントに暗くした場合 サーカディアンリズム消失の代わりに3~4hのウルトラディアンリズムが出現する(面白い!)
・dSPZの破壊により体温調節のサーカディアンリズムは消失したが(vSPZよりも大きく) 睡眠や脳波には影響が無かった
・PVHの破壊により 各サーカディアンリズムに影響は無かった
・ただしリポポリサッカライド(LPS)という細菌性毒素投入による 発熱現象がPVHの破壊により消失した
・vSPZ及びdSPZの破壊によって引き起こされるサーカディアンリズムの消失の度合いは 破壊された細胞の数と正の相関があった
などなど……です

情報量が薄い気もしますが、今回はここまでにします。気が向けば 続いていきます

論文リンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/11425913/